ヒール・清原&クール・イチローの異色タッグ

 オリックス・清原とマリナーズイチローの“蜜月”が続いている。この異色コンビに、ある球界関係者は「ヤンキース・松井の突出した人気に歯止めを掛けるための結束」と口さがないが、さて、真相のほどは。
 清原からの沖縄・宮古島キャンプ合流の呼びかけにイチローが応えて以来、2人の交流は本格化。キャンプ後半、清原はイチローから贈られたマリナーズのウインドブレーカーを練習に常時着用、他球団の選手に見せびらかしていたほどだ。「半袖も送ってくれるそうや」と話しており、1年を通じて愛用するつもりのようだ。

 一方、イチローからもWBCの最中に清原の携帯電話に連絡が入っている。

 「あいにく留守電やったけど“清原さんの声が聞きたくて…”なんてコメントが入っていた。かわいい奴やないか」

 仰木前監督を敬愛するという共通項で昨年暮れに急接近したが、格闘技好きの清原とストイックでクールなイチローは一見、水と油のようであり、その結びつきに首をかしげる球界関係者が多いのも事実。で、ある関係者は「ヤンキースの松井に一矢を、で肝胆(かんたん)相照らした結果」と“怪説”する。
 「清原は巨人時代、マスコミを軽視する言動でかなりヒンシュクを買っていました。一方、松井はマスコミとの関係は良好。いきおい、ヒール・清原、ゼンダーマン(善玉)・松井の構図が出来上がってしまった。こんなレッテルを張られりゃ清原も面白くないでしょう」
 松井に対する微妙な感情を持っている点では、イチローも同じだ。
「日本人メジャーのパイオニアは、投手では野茂、そして野手では自分だとの自負がある。ところが、マスコミは松井と並列…いや、それ以下のケースも。これじゃクサリますよ」
 もっとも、清原、イチローほどの大物がその程度の感情だけで結びつくというのは無理があるかも。実際、互いに触発される関係だからこそ緊密さが生まれた、と反論する球団関係者もいる。
 「イチローはああ見えても礼儀とか礼節を重んじる。清原もその塊のような男。お互い、球界にこんな男が残っているとうれしいようです。よき理解者が現れたというところでしょうか」
清原、イチローがともに今年に入って、人が変わったかのように明るくなったのも、分かり合える同志にめぐり会えたから、というわけだ。
清原、イチロー、松井のトライアングルからは今後も、さまざまな風説が生まれそうだ。
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